読書めも。

読書好きの20代女性による読書記録。

自分に正直に生きる人の思考

自分思考(山口絵理子著)を読んで

 

この本は、ベストセラー「裸でも生きる」の著者山口絵理子氏による自身初のエッセイである。

彼女が自分とどのように向かい合い、自分自身とどのように対話してきたのか。

自分の人生に正直に生きたいと心から願う私にとって、この本は一種のバイブルになった。

 

正直書いてあることは、自己啓発本に書いてあるようなことと同じ部分もあったりしたが、内容の浅さを全く感じなかったのは、彼女が彼女自身の経験を通して自分の言葉で語っているからだと思う。

自分の人生に正直に生きるために、やはりそこにはシンプルなルールがあり、それに従うか従わないか、ただそれだけなのだと思う。

 

自分の原体験を振り返って、疑問を常に持ち、どれだけ心の声に素直に行動するか。一歩踏み出すか。

 

彼女の場合は、バングラデシュで生きる人々の様子から感じ取った「日本人に生まれたからにはやりたいことをやり、生き抜こう」という強く硬い主観である。

こういう自分の人生にとっての強い主観というのは、行動し、感じ、疑問を持つ中で自分の意見持つプロセスの中で醸成していくものだと思う。

そのためには自分の心地よい現状から抜け出し、『既存の概念ややり方、価値観に疑問を持ち、そして、それを自分の足で確かめてみること』これだけなのだと思う。

私自身もそこの感覚はよくわかる。大学二年の夏、初めてオーストラリアのシドニーに海外でいった。その行動によって20年間考えていた「海外と自分への憧れと理想」が「現実」へと変わり、そのギャップに戸惑ったりショックを受けたりした。

そしてサンシャインコースト大学での交換留学に挑戦し「行動」することで、絵理子さんもいうように『アクションした先で出会う人々、新しい世界観、新しい価値観、新しい悩み、葛藤、強さと経験』これらを得た。

「自分で見て経験して感じること」。噂話が嫌いで、真実は見てみないとわからないと思っている私のポリシー。

 

じゃあ私は次に交換留学で感じたことを次はどのように繋げるのだろう。

こう考えると最近はビジネスライクに考えていた気がする。自分と向き合うように表面的には見えて、心の声を拾えてはいなかったのではないかという気がしてきた。

本の中で絵理子さんは『心が感じることを、頭が感じることより大事にするというか、心が感じることに頭でフィルターを書けない感覚が重要』と述べている。

現代の競争の激しい環境にいるとき、この言葉は自分の指針を指してくれるコンパスになる気がする。

 

絵理子さんは一歩踏み出す中で、人からの評価が気になるという問題についてこのように触れている。「評価基準はいつも自分だ。自分を評価できるのは自分だけである」。

比較対象は過去の自分。自分だけにできること、人は嫌がるけど自分は平気でできること。これを明確化すると自分の役割がはっきりする。

 

Learing by Doing. 

やりながら、失敗しながら、成功するまで粘り強く続ける。

失敗したって、日本に生まれた自分たちは戦地に住む人々、貧困にあえぐ人々に比べれば、勇気もわいてくる。

 

夢にむかっているその浮き沈みのプロセス。

それこそが夢を追いかけることの楽しさなんだ。

サンシャインコーストでの留学が終了した、その時までのプロセスが、私にとっての人生の財産であるのと同じように。